作品紹介
「山で太鼓の音を聞いたが
あれは多分狸だろう」
こんな小話にもなり得ない
小さな逸話が
絶滅の危機に瀕している。
その昔、山里は静かで
夜は恐ろしく暗かった。
雪深い地の冬は長く、
家族で囲炉裏の火を見つめながら
飽きることなく同じような話をし、
ただひたすらに春を待った。
そんな長い夜の暮らしの友が
消滅しかけているのだ。
日本の山には何かいる。
誰もが存在を認めているが
それが何かは誰にもわからない。
あえてその名を問われれば
「山怪」と答えるしかない何かが。
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